2019年02月11日

ミズナラ(Quercus crispula)芽生え

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ほぼ快晴、気温もお昼過ぎにはマイナス1℃。とても穏やかな雪祭り最終日です。さきほど円山方面まで行ってきたのですが、道路はいずこも路面が出ていてとても走りやすい状態でした。
ミズナラの芽生えです。
ミズナラの芽生えはほかの樹種と違って、林内でも比較的出会う機会が多いという気がしています。ある程度注意を払いながら歩かなくてはならないのは当然ですが…。画像の中央のものは庭に播いて育てたものでしたが、両端のものは近くの裏山で見つけて、いただいてきたものです。
ミズナラなどのコナラ属のタネは地中子葉型(地下子葉性)の発芽、つまり地上部に子葉(=双葉)が出ないタイプの発芽です。コナラ属では堅果(=ドングリ)が子葉で、栄養貯蔵器官として機能していて、しばらくは子葉からの栄養分で成長するようです。ドングリが萎びてしまった画像も撮ったように記憶しています。これはいずれ。
〔参考文献〕
森 徳典,1991,北方落葉広葉樹のタネ−取り扱いと造林特性−,139pp,北方林業会
斎藤新一郎, ,広葉樹のタネ,光珠内季報,42,2,北海道立林業試験場
(うまくデータベースにアクセスできず、発行年等不明)
posted by Satoshi SONDA@ARCS at 16:09| Comment(0) | Etc

2019年02月10日

ハルニレ(Ulmus davidiana var.japonica)芽生え

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気温はマイナスのままでしたが、いい天気でした。金曜日に最高気温マイナス13℃を体験したので、一桁のマイナスの気温は暖かく感じられます。17:10の気温マイナス8℃。
ハルニレの芽生えです。2013年に、自生種というか地域性種苗にこだわるということで、ハルニレの苗木づくりに取り組みました。自分の家にもハルニレを播種した育苗箱を持って帰ってきて、観察していました。そのときの画像です。観察記録もあったはずですが、すぐには探せなかったので画像だけでも。
ハルニレは、札幌では4月末には開花し、5月末から6月初旬には結実して飛び散ります。『結実周期は不規則で、数年にわたって凶作が連続することもある』ということですが、豊作の時に北海道大学の構内に行くと翼果が歩道の縁などに吹きだまるようにたまっています。ほうきで掃けばタネを集められる状態です。
このときのタネはそこまで豊作だったところで採取したわけではありませんが、シードトラップを仕掛けておいてけっこうな数量を採ってきた覚えがあります。
ほかの樹種でも、自分でタネを採ってきて、播種して育てて画像を撮る。そこまでできればいいんでしょうが、性格がずぼらなのでなかなかできません…。
2013/06〜07

〔参考文献〕
森 徳典,1991,北方落葉広葉樹のタネ−取り扱いと造林特性−,139pp,北方林業会
posted by Satoshi SONDA@ARCS at 19:32| Comment(0) | Etc

2019年01月29日

ノリウツギ(Hydrangea paniculata)稚樹

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少雪傾向かと思っていましたが、先週あたりから「そろそろ、つけを払ってもらいましょうか」というように雪が降ってきています。現在は曇りですが、気象レーダーを見るとこれから雪雲に覆われそうです。9:20の気温マイナス2℃。
ノリウツギの稚樹です。
たぶん3年生くらいでしょうか。幹の高さが8cmくらいなのに対して、根の長さは20cmを超えています。
樹木の地上部と地下部の重量の比率をT/R率といいます。地上部が大きくなるためには当然根も大きくならなければならない、というか根が大きくならなければ地上部は大きくならないので、T/R率が極端に大きな値を示すということはあまりないかと思います。スギ・ヒノキ・アカマツ・カラマツの4種類の針葉樹で調べられたデータ(苅住,1987)では、胸高直径(胸の高さの直径:本州では高さ1.2m)5〜18cm程度のサイズでは、太くなるにつれてT/R率は大きくなるけれど、ほぼ3〜4程度の値を示しました。
このノリウツギの重量は計測しませんでしたが、見る限りにおいては明らかに地下部の重量の方が地上部よりも大きく、T/R率は1を下回っていると考えられます。針葉樹と広葉樹、高木類と低木類等々、種類によってT/R率は異なるのかもしれませんが、芽生えから2年生くらいまではT/R率はけっこう小さなあたいを示すのではないかと考えています。
と、書いているうちに二十数年前になるけれど、北海道立林業試験場の佐藤孝夫さん(北海道 樹木図鑑_亜璃西社の著者)が広葉樹の稚樹の根系成長を研究テーマにしていたことを思い出しました。T/R率という形で表現はされていませんでしたが、広葉樹の稚樹で根の乾重量と地上部の乾重量の関係がグラフ化されていたので、その相関式を使って稚樹のT/R率を算出してみました。下のグラフに根の乾重量とT/R率の関係を樹種別にプロットしました。樹木のサイズがわからないので微妙ですが、樹種によって小さいうちは根系の成長にエネルギーを使う種類、どんどん地上部の成長にエネルギーを使う種類があるようです。
こういう研究をもっと続けて欲しかったのですが、「樹木根系大図説」が世に出回っていたので『根の話は、もういいんじゃない?』ということで研究テーマとして続けることができなかったときいています。「樹木根系大図説」の樹種別のデータの多くは、当時の林業試験場が目黒から筑波に移転するときに、樹木園の樹木を掘り取ってスケッチしたものと思われます。関東ローム層に発達した根系をスケッチしているので、根の伸長している深さが北海道よりも深いのでは、と感じる樹種も多々あります。同じ樹種でも母材や土壌によって根系の伸長には違いがあると思うのですが、いちど集大成らしきものが出版されると、わかっていないニッチを探ろうとしてもなかなか難しいのかなぁ…。
話が脱線しっぱなしでした。
2013/04/18

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〔参考文献〕
苅住f,1987,新装版樹木根系図説,1121pp,誠文堂新光社
佐藤孝夫,1995,樹木根系の成長に関する基礎的研究,北海道林業試験場報告,No.31,1-54,北海道立林業試験場
posted by Satoshi SONDA@ARCS at 13:19| Comment(0) | Etc