2020年03月25日

クマイザサとチシマザサ

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とってもいいお天気でした。いろいろあって(コロナじゃありません)、引きこもり。19:40の気温1℃。昨晩は水たまりが凍っていましたが、今晩はどうなのでしょう?
クマイザサとチシマザサの葉です。
葉だけをみて見分けるのなら、「毛」が決め手になりやすいででしょう。葉の付け根に「肩毛」と呼ばれる放射状に伸びる毛があれば、クマイザサ。そして葉の裏に毛があれば、クマイザサ、ということになります。ただ、夏過ぎにはこの毛がはっきりしなくなるので、ちょっとやっかいですが…。
スズタケ・ミヤコザサは採取していませんが、北海道のササ類4種の見分け方を整理するのにいい機会かと思い図鑑等をもとに相違点を表にしてみました。節レベルでの分類に近い話なので、整理してみるとわかりやすような気になってきました。以前活動していた里塚の森ではスズタケとチシマザサとクマイザサが混生していてときどき混乱しましたが、そのころにちゃんと調べておけばよかったなぁと思ってしまいました。
ササ類の葉は何かに挟んで持ち帰らないとすぐ丸まってしまいます。今年は何か工夫して、スズタケ・ミヤコザサもスキャンしてみたいと思います。
2009/07/04


表 ササ類4種の相違点

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図 ササの生活型(北海道営林局,1984より)


〔参考資料〕
茂木透 写真,城川四郎・高橋秀男・中川重年ほか 解説,2001,山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物,719pp,山と渓谷社
豊岡洪・佐藤明・石塚森吉,1983,北海道ササ分布図概説,36pp,林業試験場北海道支場
北海道営林局・日本林業技術協会,1984,特定地域森林施業基本調査 北海道における天然林施業(ササ地における天然林施業,214pp,北海道営林局
posted by Satoshi SONDA@ARCS at 20:37| Comment(0) | 葉っぱだより

2020年03月08日

チシマザサ(Sasa kurilensis)葉

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午前中は曇っていましたが、午後からは晴れ。15:20の気温は5℃もあり、「うららか」ということばが口をついてきます。
チシマザサの葉です。
北海道ではネマガリダケ(根曲竹)といった方がわかりやすいでしょうか。これは字(根曲竹)の通り、雪圧で根元が曲がっているからでしょう。
北海道のタケノコは、このネマガリダケの子です。6月ころ、調査で山の中に入ったときに、喉の渇きを潤すために採って、その場で食べるタケノコはとてもおいしいです。刺身ですものね。
もう30年近く前の話になりますが、群馬県に調査に行ったことがあります。その調査地は松枯れの跡地で、樹冠がぽっかり空いたので林床はアズマネザサに覆われていて、200mほどのベルトトランセクトに丸一日かかったことがあります。そのとき、チシマザサとどっちが楽だろう、なんて頭の中をよぎりました。密度はアズマネザサも濃かったけれど、根元が曲がっていない分だけチシマザサよりは歩きやすかったような気がしました。ただ、ところどころにイノシシがヤマノイモを掘った穴が落とし穴のようにあるので、気が気ではなかったですね。
私が仕事を始めたころには、まだネマガリダケの防風柵が使われていました。確か白老や登別が産地だったかと覚えています。編むのが面倒なことや補修が大変なこと、ネマガリダケを採る人がいなくなったこと、さらにカラマツの間伐材をたくさん使わなくてはならないことなどの理由から、防風柵はカラマツの支柱と板材を使ったものに変わりました。
思い出話に終始していまいました…。
2009/07/04


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posted by Satoshi SONDA@ARCS at 15:51| Comment(0) | 葉っぱだより

2020年03月07日

クマイザサ(Sasa senanensis)葉

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この時間は青空が広がってきました。コロナちゃんによる週末外出自粛に応じているわけではないのですが、年度末につき引きこもりです。16:30の気温0℃。
クマイザサの葉です。
クマイザサ(Sasa senanensis)とクマザサ(Sasa veitchii)、ほぼ混同して使われている名前のような気がします。平気で「北海道産クマザサ茶」なんてのを目にします。Wikipedeiaに至っては『山地に生育する、大型のササ類一般を指す場合も多い』と書いています。勉強不足でした、初めて聞きました。というか、ほんとか???→あった。「日本の野生植物-木本」のクマザサの説明に『一般に山に生えるササを熊笹というが、それは俗称で、本種は葉縁が美しく隈どられるため隈笹という』。
クマイザサの「クマイ」は漢字で書くと「九枚」、葉が9枚ついているからこの名がついたといいます。それを知って以来気にしながらクマイザサの葉の数を数えるのですが、なかなか9枚の葉には出くわしていません。ササの語源は調べてはみたもののよくわかりません。仕方なく漢和辞典で「笹」を調べてみました。この字の由来は、「葉」の下の「木」をとって、くさかんむりを「竹」に変えた形で竹の葉を表すのだそうです。名前の由来になるかどうか…?
ところで、ササの類いは毎年花が咲くわけではないので、とても分類が難しいというかやりにくい種類です。林業系ではほぼ節レベルでの特徴で大きく分けてもいいだろうという慣習で、北海道のササ類はクマイザサ・チシマザサ・ミヤコザサ・スズタケの4種ということになっています。種レベルではどこまで確定しているのか不明ですが、「北海道高等植物目録U」では32種のササ属が載っています。
クマイザサは北海道ではごくごく普通に見られるので、図鑑にはクマイザサとして載っていますが、本州で発行された図鑑には載っていないものも多くあります。牧野新日本植物図鑑・日本の野生植物-木本には記載なし、山渓ハンディ図鑑5樹に咲く花/合弁花・単子葉・裸子植物にはシナノザサで別名クマイザサとなっていました。種小名senanensisが「信濃の」という意味だから、そっちが早いのかな?
2009/07/04


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〔参考文献〕
Wikipedia,クマザサ,
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%82%B6%E3%82%B5 2020/03/07
佐竹義輔ほか編著,1993,フィールド版日本の野生植物 木本,219pp,平凡社
朝日新聞社編,1968,北方植物園,330pp,朝日新聞社
貝塚茂樹・藤野岩友・小野忍,1975,角川漢和中辞典(151版),1502pp,角川書店
伊藤浩司・日野間彰・中井秀樹編著,1990,環境調査・アセスメントのための北海道高等植物目録U単子葉植物,288pp,たくぎん総合研究所
錦織正智,2009,ササの名前にまつわる話,光珠内季報.No.153,1-5,北海道立林業試験場
牧野富太郎,1961,牧野新日本植物図鑑,1060pp,北隆館
茂木透 写真,城川四郎・高橋秀男・中川重年ほか 解説,2001,山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物,719pp,山と渓谷社
posted by Satoshi SONDA@ARCS at 16:40| Comment(0) | 葉っぱだより