2019年06月02日

ハウチワカエデ(Acer japonicum)翼果

web_190602_A_japonicum_w_190525_01_01_1200_p2_PC_900.jpg


昨晩は22時ころにスコールのような激しい雨と雷。5月末の高温といい、気候が狂ってきているように感じます。今日はほぼ快晴で北海道らしいお天気。18:50の気温17℃。
ハウチワカエデの翼果、生まれたての様子です。
5月25日に苫小牧市美術博物館でスキャン実演会をやってきましたが、そのときに近くから採取してきて材料として使ったものです。採取時は学芸員の方と一緒だったのですが、腕章をし忘れていたので博物館ボランティアの方から危なくどやしつけられるところでした。なにせ公園の樹木の枝を剪定ばさみで堂々と採取していたのですから…。
ハウチワカエデを含むカエデ属は、受粉したらすぐに翼を発達させるのではないかと思えるくらいに早い段階から翼を確認できます。熟して果実を飛ばすころになると翼に毛などは生えていないのですが、この段階では「毛もくじゃら」です。当日は画像の仕上げはぜずに、スキャンした画像を拡大して見てもらっただけですが、この毛にはみなさんたいへん驚いていたようです。
実演会の時にスキャン方法をテキストとしてまとめて配布しました。そのときに資料に、これまでいろいろ質問されて答えてきた内容も記しました。その部分だけメモっておきます。
■スキャン画像の特徴
○スケール
フラットベッドスキャナーでは、一般に印刷時の品質を考慮して300dpiでスキャン。実寸大なので、あとで画像を合成したり、スケールを入れるのが容易。
○ゆがみ
カメラのレンズで撮影する場合にはレンズ収差といってレンズ周辺にゆがみが生じる。スキャナーの場合にはこれがかなり小さい。
○被写界深度
光軸方向にピントが合う範囲を被写界深度という。実験したところ、スキャナーの場合には2cmほどである。カメラのマクロレンズよりも被写界深度が深い。また、光が届く範囲はガラス面から10cm程度はあることを確認している。
○拡大率
理論的には300dpiでスキャンした画像をモニターで見ると 、実物の3倍程度までは粒子がぼけない。最高画質の1200dpiスキャンすると、印刷ベースでは4倍まで拡大しても粒子は荒れず、モニター上では12倍程度の大きさまではっきりと見ることできる。
○ピントが合う範囲(水平方向)
比較的高倍率で、焦点が合う範囲が広いので、実体顕微鏡代わりに使うことも可能。ニコンのファーブルというフィールド用の実体顕微鏡の倍率は20倍あるが、視野直径は11mmなので部分的に観察することができるが全体を把握しにくい。これに対してスキャン画像は全体を拡大して見ている状態になるので、全体と細部の関係はわかりやすい。
2019/05/25


posted by Satoshi SONDA@ARCS at 19:32| Comment(0) | Fruit
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: