2018年11月01日

ハウチワカエデ(Acer japonicum)花

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今朝もまた雨音から始まりました。今は降りたそうにしているけれど、曇り。13:00の気温9℃。ひょっとしたら今日は最高気温が二桁にはならないかもしれません。
ハウチワカエデの花です。
ハウチワカエデの雌雄異熟性について論文を読んだけれど、うまく理解できていません。論文の要旨をそのまま引用します。

『1986 年から1990 年の開花期に北海道立林業試験場(美唄市)の樹木園と実験林でハウチワカエデの開花の様子を経時的に観察した。ハウチワカエデには,雄花の開花後に雌花が開花する雄花先熟花序と,雌花の開花後に雄花が開花する雌花先熟花序および雄花のみが開花する雄花序が存在した。実験林の95 個体の調査では,雄花先熟花序のみからなる雄花先熟個体,雌花先熟花序のみからなる雌花先熟個体,雄花序のみからなる雄個体の他に,雄花序と雄花先熟花序の混在個体および雄花先熟花序と雌花先熟花序の混在個体が存在した。雄個体や2種類の花序の混在個体は少なく,大半は雄花先熟個体(47 個体)と雌花先熟個体(43個体)であった。このような種内での雄花先熟個体と雌花先熟個体の混在は雌雄異熟(dichogamy)の一つの頂点とされ,Heterodichogamy と呼ばれている。雄花先熟個体と雌花先熟個体の間に,サイズ(胸高直径)の有意差は認められなかった。また,毎年,観察個体の3.4〜5.6%の個体が,4年間では8個体(9.0%)が性表現を変えていた。雄個体やサイズの小さい個体が性表現を変える傾向がみられた。
雌花先熟個体の種子は雄花先熟個体の種子よりも有意に重く,発芽率は有意に高かった。他の条件が同じであると仮定して生残する子供の数(適応度)を比較すると,雌花先熟個体の種子(雌花)の方が雄花先熟個体のものよりも多い(高い)と考えられる。雄花と雌花の開花が雄花先熟個体と雌花先熟個体の間では時間的に逆になることから,同じ開花順序の個体間の交配が妨げられ,異なる開花順序の個体間の交配が促進されると考える。すなわち,雄花先熟個体の雄花は適応度の高い雌花先熟個体の雌花との交配が促進されることから,雄花の適応度は雄花先熟個体の方が雌花先熟個体よりも高いと考えられる。これらのことは,雌花先熟個体はより雌花に投資し,雄花先熟個体はより雄花に投資する方向への進化を促し,ついには雌雄異株への進化を示唆するものと考える。』
来年の春、もっと観察してみよう…。
2017/05/19

〔引用文献〕
浅井達弘,2000,ハウチワカエデの雌雄異熟性,北海道林業試験場研究報告,37,27-40

posted by Satoshi SONDA@ARCS at 13:52| Comment(0) | Flowers