2023年01月17日

グイマツ(Larix gmelinii var. japonica)球果とタネ

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この冬一番の寒さに感じました。午前9時、まだ雪がキュッキュ、キュッキュと「鳴る」状態でした。たぶんマイナス10℃近くあったように思います。21:10の気温マイナス9℃。
グイマツ(Larix gmelinii var. japonica)の球果とタネです。
今年はぜひグイマツの花を、と思っているので開花時期を調べてみました。
『グイマツを種レベルでカラマツと比較すると開葉時期が早く,開花も当然早くなります。しかし,その差は1週間から10日程度で,両者の開花期間は重複するので,自然雑種ができる可能性は高いと言えます』とありました。昨年カラマツの花は4月24日に採取していました。なので、4月15日前後からはグイマツを注視しておかないと、ということになります。
さぁ、忘れずに採取できるかしら。
2022/10/27


〔参考文献〕
半田孝俊,2004,グイマツとカラマツの人工交配,林木育種技術ニュースNo.21,6-7p,林木育種センター
posted by Satoshi SONDA@ARCS at 21:23| Comment(0) | Etc

2023年01月08日

カラマツ(Larix kaempferi)とグイマツ(L. gmelinii var. japonica)の球果・タネ

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からりと晴れた一日でした。午前中の気温は、たぶんマイナス5〜6℃程度。体感です。裏山をスノーシューで歩いていると、身体は汗ばんでくるのに指先はかなり冷たくなりました。17;20の気温マイナス5℃。
カラマツ(Larix kaempferi)とグイマツ(Larix gmelinii var. japonica)の球果とタネの比較です。
上原(1961)によれば,それぞれの形状や大きさは次のように記述されています。
カラマツ:卵形〜卵球形,長さ18〜25〜30mm,径17〜20〜28mm
     タネ:三角形・灰褐色,長さ3〜5mm,翅は卵形・灰褐色,長さ5〜8mm
グイマツ:広楕円体〜卵球形,長さ12〜16mm,径10〜12mm
     タネ:三角形・淡褐色,長さ3mm,翅は三角状卵形,長さ4〜5mm
グイマツの花、それに両者の球果の充実過程は観測していないので、今年の春から夏にかけての宿題になります。
2023/01/01・2022/10/27


〔参考文献〕
上原敬二,1961,樹木大図説1,1309pp,有明書房
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2023年01月05日

カラマツ(Larix kaempferi)とグイマツ(L. gmelinii var. japonica)の球果

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寒かったけれど、いいお天気でした。年明け、「急ぎ」の件を進めているので引きこもり。「寒かったけれど…」はあまり実感していません。17:30の気温マイナス5℃。標高200mを超えるところに住んでいるので、市内中心部より約2℃ほど気温は低いです。
カラマツ(Larix kaempferi)とグイマツ(L. gmelinii var. japonica)の球果比較です。
長年宿題としていたカラマツ属2種の球果比較、ようやくできました。「カラマツとグイマツの識別がわからないのですが」。ずいぶん以前のことになりますが北大の先生に伺ったところ、「なかなかね。球果じゃないとわからないんだよ。カラマツの果鱗は反り返るが、グイマツは反り返らない。」との答えをいただいていました。
左がカラマツ、右がグイマツです。反り返る、反り返らない、ということがわかるでしょうか?
カラマツはもともとは長野県産で、明治時代、北海道に造林のため持ち込まれたものです。富士の裾野の青木ヶ原、長野県の浅間や八ヶ岳山麓などが自生地です。
これに対してグイマツは、もともと北海道に生育していた樹種です。ただし、今から5000年ほど前のことになりますが。グイマツは、現在は千島列島のエトロフ島・クナシリ島やサハリン、シベリア東部からカムチャッカにかけて自生しています。北海道では最終氷期が終わり温暖化していく過程で各地に分布しましたが、5000〜3000年ほど前に暖かい地方から北上してきたほかの樹種に置き換わられ、現在では自生していません。ケショウヤナギ(Salix arbutifolia)のように氷河遺存種にはなれなかったのですね。現在ある個体は基本的には試験的に植栽されたものと考えてよいでしょう。単木的に植えられたものは枝が水平に張り出すので、カラマツと見分けがつくかな、と思うこともあります。めったにないですけど…。
2023/01/01・2022/10/27


〔参考文献〕
上原敬二,1961,樹木大図説1,1309pp,有明書房
辻井達一,1995,日本の樹木 都市化社会の生態誌,296pp,中公新書,中央公論社
小野有五・五十嵐八枝子,北海道の自然史 氷期の森林を旅する,219pp,1991,北海道大学図書刊行会
posted by Satoshi SONDA@ARCS at 17:41| Comment(0) | Fruit